今回インタビューをさせていただいたのは、ベア特定社会保険労務士事務所の西尾信一さん。
学生時代の留学経験を活かし、グローバルに活躍されている社労士さんです。
プロフィール
名前 | 西尾 信一 |
事務所名 | ベア特定社会保険労務士事務所 |
生年月日 | 1973年1月19日 |
出身地 | 福島県 |
社労士歴 | 9年 |
趣味 | ダイビング、旅行 |
尊敬する人物 | サラリーマン時代の上司 |
HP | https://new.bear-sr.com |
特徴
- 人事業務の代行によって、実務のお困りごとを解決します
- 外資系企業やグローバル企業に対して英語での対応が可能
- 経営層の相談役として人事課題の解決方法を共に考えます
対応業務
- 人事・労務コンサルティング
- 就業規則・人事評価制度
- 人材採用・育成・定着
得意な業種
- 医療機器・医薬品製造
- IT企業
- コンサルティング
- 外資系企業
社労士を目指したきっかけ
社労士を目指したきっかけは何だったんでしょうか。
西尾さん:私は大学生時代にオーストラリアで1年間留学をしていて英語を話すことができたので、英語を使える仕事に就きたいなというのが大前提にありました。
そして、自分の強みである英語にプラスしてなにか国家資格を取得できれば、それが自分のキャリアの強い軸になるだろうと考えました。
数ある国家資格の中でも社労士を選んだのは、英語が堪能な社労士がまだ業界には少なく、また業界の平均年齢も他の士業に比べ高いということがあったので、自分の強みを最大限活かし長く活躍できるのが社労士だと確信したからです。
そう考えてから実行に移すまでは早かったですね、大学を卒業してすぐに社会保険労務士の資格を取得しました。
これまでのキャリア
これまでのキャリアについて教えてください。
西尾さん:資格を取得して最初に就職したのは、日本の会計事務所で、そこでは外資系企業約25社の社会保険手続きや給与計算、就業規則改訂などの業務を担当していました。
これらの業務を1年半ほど経験したタイミングで、この知識を活かしつつ次は企業の人事についてもっと知りたいと考えるようになり、IT企業へ転職し人事業務に従事しました。
その後は、いくつかのコンサルティング会社において、人事コンサルタントとして大量採用や組織開発、事業会社の人事部マネージャとして人事企画チームや採用チームのマネジメントを行うなど幅広い業務を体験しました。
キャリアを重ねるにつれ、人事コンサルタントの方面に専門性を高めていかれたんですね。
西尾さん:そうですね。いくつかの企業の人事部を経験して、企業の人事部の多くが、英語とシステムと数字、そして法律に関する知識に弱点があるということに気がつきました。
自分が所属している企業にだけでなく、もっと多くの企業に対して弱点を補完するためサポートをしていきたいと考え、それらの業務に特化した社会保険労務士事務所を2014年に開業いたしました。
ベア特定社会保険労務士事務所の特徴
ベア特定社会保険労務士事務所さんの特徴を教えてください。
西尾さん:ベア特定社会保険労務士事務所は、私と事業会社人事部での経験が豊富なシニアコンサルタントの方の2名で運営をしているということもあって、社会保険の手続きや給与計算といった業務を行っておらず、人事コンプライアンスについてのアドバイスや人事業務代行による実務的なソリューションの提供をメインの業務としています。
社員数が50名くらいの規模の会社さんであれば人事部長の業務を代行をしますし、突発的にご依頼いただくのが「社内でハラスメント調査を実施したいのでぜひ力を貸して欲しい」や「労働組合から連絡が来たので対応の支援をして欲しい」といった内容です。
人事業務の代行をされているというのは、社労士の中でも珍しいのではありませんか?
西尾さん:そうですね、それをメイン業務にしている方はあまりいらっしゃらないかもしれませんね。
ある企業では、突然退社されてしまった人事部長に代わって、人事業務全般と人事部員のマネジメントを行った経験もあります。
日常的なオペレーションはもちろん、海外本社へのレポートや、社長に対して人事・組織運営に関するアドバイスを行いました。
社内が落ち着きを取り戻した後に、後任人事部長を採用して、業務の引き継ぎまで完了させました。
採用業務の一環として面接の代行をさせていただくこともあるのですが、いまだに面接の現場では「なんか感じの良い人だな」「うちの会社に合ってそうだな」といった「なんとなく」で評価をしてしまっていることに課題があると感じています。
私が面接をさせていただく時には、人柄といった評価を付けづらい点も含めて、全ての項目をレーティングし、後から相手に対して客観的に説明できるような制度のもと実施をしています。
社内の人材やシステムだけでは解決できない・気が付けない人事業務に関する問題を、私がこれまで培った知識・経験によって解決、あるいは効率化させていく、その際に外部からアドバイスするのではなく企業の方と一緒に考え、時には企業の方以上に考えるというのがベア特定社会保険労務士事務所の特徴です。
HPによると海外の企業からのお問い合わせも多いとのことでしたが、実際はいかがでしょうか。
西尾さん:最近では、アイルランドやイギリスの企業からご依頼が多いですね。
日本にいる社員がハラスメントで訴えられているがどうしたらいいかといった内容や、能力不足の(日本人)社員に対しどのような対応を取ったらいいかといったご相談をいただきます。
そういったご依頼に対しては、日本の法律や慣習に即した対応策を英語でご説明して解決までサポートしています。
社労士としてのやりがい
社労士をしていてやりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか。
西尾さん:やはり感謝される瞬間、これに尽きますね。
私の事務所にご相談にいらっしゃるのは、今すぐにでも対応しないといけないけど、そのためのリソースが社内には現状存在しない、どうしたらいいか検討もつかないといったような困りに困った方が多いですので、解決して差し上げた時には心から感謝してもらえるんですよね。
それと、リピートをいただいた時ですね。
リピートは「私が提供したサポートで本当に助けられた」「これからもこの人からサポートし続けて欲しい」という、忖度抜きの高評価だと思っているので、率直に嬉しいです。
社労士の難しいところ
お仕事をされていて難しさを感じるのはどういったところですか。
西尾さん:今自分がやっているビジネスを今後広げていきたいと考えても、同じような業務をできる仲間を探そうとしてもなかなか見つけられないということですかね。
現状新規のご依頼をいただいても、私も含め2名体制でやっているのですぐに対応できない場合もあります。
人事業務の全般を知っていて、システムにも精通していて、海外の企業に対して日本の労働法について英語で説明できるという社労士は、恐らく多くはないと思います。
だからこそ私の経歴やスキルに価値を見い出していただけているわけなんですけども。ですので、他の社会保険労務士事務所さんのように、人を雇って事業を拡大するということができないというのが現状の悩みですね。
お仕事をするうえで大切にしていること
お仕事をされるうえで大切にされていることを教えてください。
西尾さん:考えることをやめない、考えて考え続けることですね。寝る直前も、もしかしたら寝ている時も考えごとをしているかもしれないですね。
私は趣味でダイビングをするんですけど、海の中でも依頼内容について考えることがあって、そうしていると業務中には掴めなかった解決の糸口が、ダイビング中のふとした瞬間に思いつくということはよくあるんです。
受験勉強とかで、机に向かって勉強している時に分からなかったことが、他のことをしている時に突然理解できるようになったという経験が誰しもあるかと思うんですけど、そういったイメージですね。
依頼されたことは、依頼者が想像していることを超えてやり遂げること、そのためにお客様以上にたくさん考えることを大切にしています。
それだとせっかくの趣味の時間が、少しもったいない気もしますが(笑)そう考えるに至ったのには、何かきっかけがございますか?
西尾さん:サラリーマン時代に当時の上司から言われた言葉が影響しています。
上司と一緒にクライアント訪問をした時に、私がちょっとしたミスをしてしまったことがあって。ミスをしたことに私自身気づいていて、「この後、怒られるかな…」なんて考えていた帰り道、上司から「もしかして、怒られると思っている?残念だけど私は怒ってあげるほど優しくはないよ」と言われたんです。
その言葉がとにかく怖くて怖くて。人の期待を下回ることをしてしまえば、注意や指摘なんて優しいことをしてもらえる間もなく、見放されたり契約を打ち切られたりするのがビジネスの常識だということを、私はこの言葉から学びました。
常に相手の期待を上回り続けるために、死ぬほど考える癖が身に付いたのは、この時の上司のおかげです。まあ、この上司とは今でも仲良くさせていただいているんですが、当時は本当に怖かったですね(笑)
読者の皆さまへメッセージ
読者の皆さまへメッセージをお願いします。
西尾さん:最近ではコンプライアンスに対する意識が世の中全体で高まり、ハラスメントに関する法律も整備が着々と進んでいます。
経営者の皆さんとお話をしていると、社内でそういったことについて相談し、共に対策を立てる人や部署がなくて困っているという声がよく聞こえてきます。特に地方で会社を経営されている方に多いですね。
そういったことでお悩みの際は、迷わず人事のプロに頼りましょう。私にご相談いただければ、必ず解決の方法をご提案いたしますので、ぜひお気軽にお声がけください。