今回インタビューをさせていただいたのは、T&P社労士・FP事務所の中野剛生さん。
本業として企業経営をされる傍ら、経営者目線を持つ社労士としても精力的に活動されています。
プロフィール
名前 | 中野 剛生 |
事務所名 | T&P社労士・FP事務所 |
生年月日 | 1983年12月8日 |
出身地 | 岡山県備前市(プロ野球選手で、ドジャースに移籍した山本選手、パ・リーグ首位打者を獲得したの頓宮選手と同じ中学校。) |
社労士歴 | 10年 |
趣味 | サウナ、ゴルフ、野球観戦、食べ歩き(食べ歩きでは2,400店舗以上のレストランに訪問) |
尊敬する人物 | 社会人1年目の時の最初の上司 |
HP | https://trust-people.com |
特徴
- 大手企業向けの人事コンサル業務で培った最新のノウハウ
- 自らも企業経営に係わる立場にあり、企業経営の目線による最新の企業動向や実際の事例に基づいたご提案
- 労使双方の目線に立った具体性の高いコンサルティング
対応業務
- 人事・労務コンサルティング
- 就業規則・人事評価制度
- 人材採用・育成・定着
- 助成金申請
- 給与計算・保険手続き
得意な業種
- 外資系企業
- 情報通信
- 飲食・美容
- 建設
- 貿易商社・卸売り
- 広告・デザイン
- 士業・コンサルティング会社
- 業種の縛りなし
これまでの経歴
これまでの経歴について教えてください。
中野さん:大学卒業後は、生命保険会社に入社をいたしました。
川越で2年間保険営業を経験した後、外資系生命保険会社のアメリカ本社へ出向となり、その後ベトナムの子会社の人事業務を現地で担当したり、本社での採用・育成関連業務を行っていました。
ベトナムに赴任していた際に、あまりに忙しく「これブラック?」と思って、その時に人事の専門家である社会保険労務士という資格の存在を知ったんです。
そして、日本に戻ってからも人事業務に携わりながら勉強を行い資格を取得しました。
1社目の生命保険会社では、どのくらいの期間、人事業務に携わられたんでしょうか。
中野さん:出向していた時期を含めトータルで約6~7年くらいです。国内や駐在していたベトナムを中心に、営業員の報酬制度や労務問題に取り組みました。
この間で培った人事に関する知識や実務経験を多くの企業や人々のために役立てたいと考え、コンサル企業(銀行系・Big4の外資系ファーム)へ転職をしました。
コンサルファームでは、大手企業の役員に関する指名・報酬領域や人事コンサル業務を担当しつつ、その傍らで2021年に社労士事務所を開業し、そちらでは中小企業をメインにお仕事をさせていただいています。
副業で社労士をされているんですね!本業との両立は大変ではありませんか?
中野さん:むしろ楽しいくらいです!父親が自営業をしていた影響もあり、中小企業の経営者の方とのやり取りがとても面白く大変勉強になるので、副業の方もアドレナリンが出て、どんどんのめり込んでいきました。
2023年からは株式会社ジークという内装会社のCFO兼経営企画室長に就任し、私も中小企業の経営者の立場になりました。
本業で企業経営を行いつつ、社労士事務所の運営も土日や平日夜を中心に実施しています。
実際に、士業と事業会社の役員という立場の両方を日々行えることは、実際にクライアントに接してみても、心情や実態により沿うことができるので、これが私の事務所の最大の付加価値とも考えています。
T&P社労士・FP事務所の特徴
T&P社労士・FP事務所さんの特徴を教えてください。
中野さん:届出や給与計算、助成金申請といった典型的な社労士業務よりも、規程作成を中心とした人事制度の設計、労務問題の相談、人事業務の効率化、M&Aに関するご支援、ストックオプション等の特殊な制度設計、従業員との折衝などのコンサルティング業務を中心に対応しています。
おかげさまで開業から2年で約70社の企業からお仕事をいただいています。会社規模としては、上場企業は4社、その他は中小企業65社という内訳です。
その中で、たまたま私に海外経験があるためか外資系企業も多く、中国、台湾、韓国系の企業や欧米の日本法人の方も多くお付き合いをさせていただいています。
業種は様々で、IPOを目指しているスタートアップの企業様ともお仕事をさせていただいています。
社労士を副業でされているということの、企業側のメリットはどういったところにあるとお考えでしょうか。
中野さん:現在会社経営の立場にいる私だからこそできる、机上の空論ではない実務や現場のことを考慮に入れたご提案だと思います。
例えば就業規則を改定するとなった場合に、実務にどう落とし込むか、従業員にどのように運用してもらうかということを、私自身も自分の会社で経験しています。提案に経験が伴えば、その説得力は格段に増しますよね。
クライアントからも「説明が腹落ちしやすい」と好評の声をいただいています。
もう一つの良いところは、経営者の方に媚びる必要がないということです(笑)。
「契約を1件でも多くしたい」と思って活動をしているわけではないので、契約をいただくために忖度をするといったことはありません。価格競争にも応じません(笑)。
だからこそ私が発する言葉やご提案は、本当に企業のためを考えたものだけだと信じていただくことができます。
経営者の方に対等な立場で接することができるフェアなビジネスパートナーでいられることが、企業の方々に重宝していただいているポイントだと自負しています。
また、クライアントである経営者の方にとって時間は本当に貴重であるという信条を持っており、いかに限られた時間でバリューを提供できるかということに拘っています。
そこで、私自身もですが、クライアントにも緊張感を持って商談してもらえるようにすることで、良いパフォーマンスを残すことができ、リピートやご紹介を多く頂けているのだなと最近は実感するようになりました。
時に、クライアントに対しても、はっきり物申してしまうのは反省でもありますが(笑)
今のビジネススタイルになったきっかけ
「クライアントである経営者にも一切の忖度無し」「契約獲得のための頭を下げたお願い営業はしない」、なんとも強気な営業姿勢でいらっしゃいますね(笑)
そういった強気なビジネススタイルになったのには、なにかきっかけがあったんでしょうか。
中野さん:社会人1年目の時の上司の影響ですね。その人は、本社の人や会社の役員に対しても自分の意見をはっきりと言う人でした。
「社会人ってこんなにずけずけ思ったことを言っても大丈夫なんだ」と衝撃を受けました。
その上司は最年少で支社長になったとても優秀な方(最終的には大手生保の常務に就任)だったので、自分の意見を主張するにはそれを裏付けるだけの実力・実績が必要なんだということも同時に知りました。
当時の上司のように自分の意見を主張し続けるために、やるべきことは絶対にやり遂げるよう肝に銘じて過ごしています。
社労士のやりがい
社労士をしていてやりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか。
中野さん:一つの案件をやり遂げて、「中野さんに頼んで本当に良かった」と感謝の言葉をいただいた時ですね。常にその言葉をいただけることを目指しています。
中小企業の経営者は、一人であらゆる業務を担当されているので、本当にお忙しいんですよ。
そういった方には、人事や労務といった亜流のお仕事に割く時間は最小限にしていただいて、1秒でも多くコア事業のことを考える時間を増やして欲しいというのが私のポリシーです。
そのために経営者の方より1秒でも多く考え、1秒でも早くお応えできるようにしています。
その結果、事業により集中してもらえたなという実感を得られた時は特に達成感がありますね。
それともう一つは、難しい案件をご依頼いただいた時ですね、とてもワクワクします!
IPOやM&A、その他こじれた労使折衝の調整といった難易度が高めのお仕事をさせていただくのは楽しくてしょうがないです。難しい案件どんどん来て!って日々思っています(笑)
お仕事を心から楽しまれているということが、こちらにもビシビシ伝わってきています。
中野さん:実はお客様からも、案件を終えた後に「楽しかったよ」「一緒に仕事ができて刺激になった」というお声を何度かいただきました。
私も経営者の方から刺激をもらうことが多いので、互いに切磋琢磨し合えるようなワクワクできるご依頼をぜひお待ちしています。
社労士の難しさ
このお仕事をされていて難しさを感じるのはどういった時ですか。
中野さん:社労士の仕事をしていると、経営者側と労働者側どちらの立場に就くかの選択を迫られることが何度もあります。
どれだけ綺麗事を言っても、中小企業にとっては事業の成長が最優先だと私は考えているので、迷った時には会社の利益に繋がるサポートを意図的にすることが多いです。
それが実際の正解だとは考えていますが、どちらを優先すべきかいまだに悩みますし、案件が終わった後でも「あれで正解だったのかな」と思い返すことはありますね、とても難しい問題だと思います。
お仕事をするうえで大切にしていること
お仕事をされるうえで大切にされていることを教えてください。
中野さん:お客様とその会社のために働く、このことだけは絶対にブレないようにいつも心に留めています。
何のために仕事をするのかということを、皆さん悩まれることも多いかと思います。
お金のため、自分のキャリアのため、色々あるんでしょうけど、私が迷った時には必ず「それが会社のためになるかどうか」ということを指針にしています。
先ほどお話したこととも似ているんですが、社労士をしていると労使双方から質問を受けて板挟みのような状態になることが何度もあります。
そういった状況でも、何よりも会社が強くなくてはならないという考えのもと、社長や役員等のリーダーが行きたい方向に進める方法を常に考え実施しています。
それと併せて、口だけのコンサルにならないように気をつけてもいます。
コンサルタントの経験が長いので、理屈についてはすごく真剣に考えますけども、やはり落としどころをきちんと見つけるということですね。
どれだけ私が考えてたとしても、最終的にそれを実行するのは従業員の方々ですので。彼らに受け入れられず事業がストップしてしまうと全く意味がないので、強引な進め方はせずに、実行する方々の気持ちになって考えるよう心がけています。
読者の皆さまへメッセージ
読者の皆さまへメッセージをお願いします。
中野さん:大企業とは違って少数精鋭の中小企業では、人事制度というような大げさな物言いではなく、楽しく・賢く・稼げる仕組みができると組織が活性化しやすいです。
会社の風土を変えていきたい、困っていることを解決したいとお考えの方は、一人で頭の中で考えるのではなく、ぜひお気軽にお声かけください。
一緒に楽しく・賢く・稼げる仕組みを考えましょう!経営者の方も私も、案件を通して刺激を与え合いその道のりを楽しめる、そんなワクワクできるご依頼をお待ちしています!