今回インタビューをさせていただいたのは、高室礼子社会保険労務士事務所の高室 礼子さん。
労務顧問のほか、行政の業務に積極的に従事し、講師としても活動されています。
フィールドを問わず目覚ましい活躍をされている社労士さんです。
プロフィール
名前 | 高室 礼子 |
事務所名 | 高室礼子社会保険労務士事務所 |
出身地 | 豊島区 |
社労士歴 | 平成27年 社労士試験合格 平成28年 社労士登録、開業 平成30年 特定社労士付記 |
趣味 | 登山、ランニング、ホットヨガ |
HP | https://takamuro.net/ |
特徴
- 初回ヒアリングから納品まで代表自らが懇切丁寧に対応
- 行政関連業務にも積極的に従事。労働基準行政・監督機関への深い知見
- 大学や企業に向けた講義を行う講師としても活躍
対応業務
- 就業規則
- 人事・労務コンサルティング
- 給与計算・保険手続き
- 人事評価制度
- 助成金申請
得意な業種
- 情報サービス業
- 飲食業
- 自動車整備業
社労士になったきっかけ
社労士になられたきっかけを教えてください。
高室さん:10年ほど前まで、IT企業で基盤システムの提案SE職に就いておりました。
在職中から「自分には自営業の方が向いているんじゃないか」と漠然と感じてはいたのですが、自営業をしている夫と結婚してから具体的に独立開業を考えるようになりました。
なぜご自身には「自営業の方が向いている」と感じるようになったのでしょうか?
また、数ある業種・職種の中から社労士を選ばれたのには理由がございますか?
高室さん:父は都内でずっとサラリーマンをやっていたので疑問もなく私も勤め人になりましたが、30代後半になって自分の家系を改めて見てみると、母の実家が港区青山で明治時代から続く老舗の花屋を営んでいたり、従兄に開業医や税理士がいたりと個人事業や自営業を営む者が多く、また主人の家系も代々会社経営をしていることから、そういう思いが強まったのだと思います。
ただ私自身、大学卒業後に版画家をしていた時期もあり、その頃から思いはあったのかもしれません。
業種・職種は、考えられる選択肢はいくつかありましたが、堅実路線で士業を選びました。そして開業できる資格の中から、夫と相談し社労士を選択しました。
夫は中小企業診断士の資格を持っているので、事業のパートナーとして社労士との相性が良いというねらいもありました。
こういった経緯で社労士になりました。
これまでのキャリア
前職ではSEを経験されているということですが、これまでのキャリアについて、もっと詳しくお聞かせいただけますか?
高室さん:高校は都内にある私立の大學付属高校でした。進学校でしたので一般大学受験に向けた勉強をしていましたが、受験直前にあることがきっかけで方向転換し、5美大の一つといわれる大学に進学しました。
卒業制作賞などを受賞した経緯もあり、大学卒業後は版画家として暫く個展やグループ展を開いてフリーター生活をしていましたが、生活基盤を自分で整えるのが難しく、一生親や他人に生活を保障して貰わないと厳しい世界だということが徐々にわかってきて、早々と2、3年程で創作活動から離れるようになったんです。
その過程で、姉が就職していたIT業界で働き始め、常駐した会社に正社員として採用されました。当時から業界は人手不足でしたので、ある程度ITリテラシーがある人材は採用されていたんだと思います。
その後、結婚して5年ほどで会社を退職し社労士の勉強を始め、2年後の2回目の受験で、何と史上最低の合格率2.6%の年に社労士試験に合格しました。私自身、そんなに難しい年に受験をすることになると思っていなかったので驚きでした。
そして翌年、開業社労士となりました。また同時に、長年興味があった大学での学びなおしを実現するため、開業後に慶応義塾大学 経済学部 通信課程に入学し、顧問先を増やしながら地道に単位を取得しました。
卒論指導終了後となる今年の秋に卒業を予定しています。資格取得の勉強と違い、物事の理論を学ぶ過程は楽しく、また苦しい場面も多々ありましたが、終わってみると大変充実した数年間だったと感じています。
高室礼子社会保険労務士事務所の特徴
高室礼子社会保険労務士事務所の特徴を教えてください。
高室さん:現在は中小企業診断士である夫をパートナーとして、事務所経営を行っております。
また、開業の傍ら、某地方労働局での指導員の仕事に就いて7 年間、民間企業や労働者からの問い合わせ に対する相談業務を行っています。
この経験のおかげで労働基準行政の機関や監督機関の考え方・方針について深い知見を得ることができたので、それらを熟知したうえで民間企業の事業主の方々を強力にサポートできるというのは弊所ならではのメリットだと考えています。
また、顧問業務に関しては、SE時代に企業への訪問やご提案を多数行っていたので、提案する専門分野が変わっただけで、顧客との付き合いや関係性の構築方法は変わらないな、という感覚で企業支援を行わせて頂いております。
社会保険労務士は、民間企業での転職や職種変更の経験も大いに役立つ業種であるとつくづく実感しており、労働者の立場も理解できる社労士であり続けたいと思います。
顧問先には、輸入販売業や、情報サービス業、建設業、小売業、自動車整備業、旅行業、学習支援業等、様々な事業者様がおり、就業規則作成のほか、行政機関への申請手続代行や給与計算など、ご要望に応じた顧問業務を行っています。
就業規則の作成のご依頼はコンスタントにいただいておりますが、弊所では、初回ヒアリング後も代表である私が直接の訪問を繰り返し行い、丁寧に規定と労働関係法令との関係性をご説明しながら納品まで行っていますので、新規立ち上げで労務管理を一から教えてほしいという事業者様に、特に喜んでいただいております。
この他にも、介護事業者や建設事業者、運送事業者向けの講義や、労働基準関係法令に関する集団指導、大学での労働法の講義など、講師の仕事も多数行っております。
職業紹介事業者や派遣事業者向けの法定講習講師の経験もあります。
都内私立大学・業界団体・士業団体・各業界の企業様からの講師等のご依頼については、是非ともご相談下さい。
デジタル庁からの任命を受けて「デジタル推進委員」としても活動されていますよね。
高室さん:はい。デジタル庁の活動は就任後間もない為これからになりますが、社労士の中にはデジタルに弱い方が結構いらっしゃって、業務もアナログなままという方もまだまだ多いです。
そういった方々に対して、ここ数年は東京都社会保険労務士会のデジタルIT化推進特別委員として業務のデジタル化や電子申請の方法を指導するという活動をしています。
また、社労士向けだけではなく企業の方に向けた活動も行っています。池袋のハローワークでは「電子申請アドバイザー」として、電子申請のご案内や操作のレクチャー、場合によっては実際に事務所に伺ってPC環境設定のお手伝いをする、といった活動をしています。
デジタル庁の「デジタル推進委員」では、社労士としてのデジタル推進活動を広くPRし世間一般に理解いただくことが主な活動になると思いますが、これから活動の場をもっと広げて行きたいと考えています。
社労士をしていて良かったことと大変なこと
「社労士をしていて良かったな」と感じるのはどんな瞬間でしょうか。
逆に、大変だなと感じる点はありますか?
高室さん:「大変だなと感じること」よりも「良かったと感じること」が断然多いです。
正直言うと仕事が楽しくて仕方ないというところでしょうか。
お客様から信頼を得て顧問契約をしていただく過程や、資格取得時に学んだ専門知識が生かされ経験を積むごとに実力が上がり、より良いご提案が出来ているなという実感が得られるところにたいへん魅力を感じています。
社労士というお仕事のやりがい
お仕事をしていてやりがいを感じるのはどんな瞬間でしょうか。
高室さん:どの仕事も同じだと思いますが、やっぱり顧客に喜んで貰えた時ですね。
会社で働いている時のように会社の看板で仕事をしているのではなく、お客様から自分という人間に対して直接契約をしていただいているので、お客様の反応をダイレクトに感じることができます。
また、多種多様な中小企業の事業主様との会話を通して、自分の知らない業界を覗き見ることで、自分の世界が広がっているなと実感できるのもモチベーションの一つです。
最近では、自身が所属する業界団体での役員の仕事も増えています。
もともと、組織に縛られずに仕事がしたいと希望し会社を辞めて独立した訳ですが、組織の力と組織の中で働く楽しさも改めて実感する日々を過ごしています。
読者の皆さまへメッセージ
読者の皆さまへメッセージをお願いします。
高室さん:社労士事務所をお探しの経営者のみなさまは、どの社労士事務所に委託すればよいかわからないとお悩みになられているかと思います。社労士それぞれにも特徴があるので、迷ってしまいますよね。
弊所は、依頼いただいた案件は、代表である私が、まずは懇切丁寧に対応します。
労働基準行政の機関での指導員の経験を活かし、監督機関側の内情も把握したうえでの労務監査や、調査対応、会社を守るための人事制度・賃金制度構築が可能です。
また前職の経験により、ご希望があれば、業務システム導入のご提案や支援も行います。
創業間もない事業者様、労務管理にお困りの事業者様は、まずは、弊所HPからお気軽にご相談下さい。